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IMA コラム

法隆寺金堂壁画

カテゴリ: 建築デザイン 作成日:2018年01月05日(金)

暮れも押し詰まった12月28日、朝日新聞で「法隆寺金堂壁画」の特集が掲載されました。ご存知のように奈良斑鳩の法隆寺は1949年(昭和24年)に火災により金堂内陣と壁画を焼損してしまい、これをきっかけに「文化財保護法」が制定されるなど当時の大きなニュースとなった事故に見舞われました。
実は、その焦げた木組みと焼損壁画をそのままに収めたのが、鉄筋コンクリートによる当社設計の収蔵庫(1951年竣工)です。現在は非公開ながら境内の一角に建っています。

新聞

 

昨夏のこと、京都の大学の先生から法隆寺収蔵庫とその設計者入江雄太郎についての問い合わせがあり、資料を準備し、当時を知る先輩とともに臨みました。その後、先生からは貴重な話が聞けたとの謝辞があり、12月に有楽町朝日ホールでの「法隆寺シンポジウム」にパネラーとして講演するとの連絡をいただき(前列で)拝聴する機会を得ました。
その講演会では、文化庁長官の「壁画は国民共通の財産であるのでぜひ公開に持っていきたい」との基調講演があり、続いて各分野の先生方によるパネルディスカッションというプログラムでした。建築の視点からは収蔵庫の外部や内部の様子、設計者入江の写真、そして最近の入江三宅の作品(六本木ヒルズ)も流され、周囲の伽藍にも調和し、収蔵庫の機能としても申し分なく、壁画を公開するならばぜひこの建物でとの提言もありました。

 

その中で司会の方よりこの模様は12月中に朝日新聞に掲載されるとの言葉があり、翌日の早朝から今日か明日かと待ち続けようやく掲載の運びとなった次第です。 事務所開設わずか3年目に竣工したこの建物こそ「入江三宅」の原点ではないかとあらためて思う年の初めです。

(風琴子)