京都市指定・登録文化財(旧京都中央電話局)新風館の既存棟と隈研吾氏デザインによる増築棟で構成された再開発プロジェクトである。LAのインテリアデザイナーCOMMUNEが、アジア初出店となるエースホテルの内装を手掛ける。我々はローカルデザイナーとして客室213室、宴会場、レストラン、バー、コーヒーショップ等の設計・監理を行った。歴史ある京都において新旧の建築が交錯する空間デザインは、和風に拘らず手仕事への飽くなき追及によって新たな答えを見出した。シンボル化されたレセプションカウンターは、銅板をハンマーで叩いて仕上げ、あえて経年で風合いが変わることを狙っている。コーヒーショップのタイルは色彩確認用の試し焼きをそのまま仕上げ材とした。他にもアーティストや職人の手による素材を各所の仕上げの一部に用いて、和の素材と西洋のデザインが融合し、さらに手仕事の情熱が加わるエネルギー感溢れる空間を実現した。