1969年に竣工した事務所ビルの耐震バリューアップである。当建物は、いわゆる森ビルのナンバービルの代表的な事務所ビルの一つであった。高さ30mの中にウォールガーターの採用などの工夫により11層の質の高い事務所空間を確保し、長く利用された。。近い将来の建て替え計画までの短期的な建物利用となるため既存イメージの一新ではなく、街と共に歩んだ記憶を継承する修景とし、建物の構成は変えず、耐震改修による構造安全性を確保したうえで、外観、共用部のリニュ-アルを行った。竣工時より印象的であったエントランスホ-ルのタイル壁画を残し、木ル-バ-と間接照明の演出により、事務所ビルでありながら、温もりのある空間へバリュ-アップを図った。当建物に近く同時期に同様のバリューアップ工事が行われた11森ビルとともに、2023年に竣工した虎ノ門ステーションタワーに建替えられた。