東京メトロ御徒町駅の下町の路地が連なる街区の中に、老舗ディスカウントストア「多慶屋」はある。このエリアには多慶屋の店舗が数多く点在し、その外壁色から”Purple Building”と呼ばれ、下町の路地空間に賑わいをもたらしている。本計画は既存の複数店舗をまとめ敷地を拡大し、テナント誘致に向けて高い競争力を有する規模の商業施設への建て替えを行うものである。既存建物が持つ個性と魅力を新しい考え方で解釈した施設のあり方を目指し、上野アメ横地域に繋がる仲御徒町駅側と、地域の人々が集う御徒町公園を結ぶ街路をMALL空間に見立て、現代の路地空間としてデザインした。さらに斜線制限による建物のセットバック部を路地として積層し、まちの賑わいを上階に繋ぐ立体MALL空間とした。外観は景観条例による「紫」の使用面積制限を外装パネルに角度を持たせデザイン化し、制限値を満足すると共に個性溢れる外観を創出した。