創立80周年を迎え、立正佼成会が検討を進めている将来へ向けた本部周辺整備において、その先駆けとなる施設として計画された。これまで分離独立していた教団直属の部門と関連組織を一つの施設に集約し、会議室などの共用諸室をビル全体で共有使用するという新たな試みを行った。専有スペースの縮小やデジタル機器の導入による専用室の廃止など、計画の要件作りから関係者と議論を重ねて作り上げたプロジェクトである。コンセプトワードを「和」と定め、人と人、人と自然との関りを重んじた豊かな心を育む空間づくりを目指すと共に、外観は和風建築を意識した深い軒が生み出す陰影の積層によって、伝統と現代が融合する普遍的なデザインとした。また教団が目指す環境共生型の施設として、天然木や左官材などの自然素材の採用やピット型のクールチューブと吹抜けを活用した気流循環システムを構築し、自然に近い心地よさに包まれる空間とした。