青松寺 智正庵

満天の星がある茶室 フルオープンにより庭とつながる広間

本計画は、愛宕グリーンヒルズ内、青松寺伽藍再建工事の一環として、既存樹木が残る小高い協定公園に立地している。鉄骨造の四隅の柱で支えられた起り(ムクリ)と反りのある方形の屋根に包まれた約30坪の建物で、茶会のために炉が切られた四畳半の茶室としっかり作りこまれた水屋、上吊りのステンレス建具がフルオープンとなることで庭とつながり多目的に利用できる広間がある。茶室・水屋・広間は日本式の茶道に従った古典的な寸法・素材で構成され、茶室の天井はランダムに複数の小さな穴を設け、天井内部に照明を設けることで、室内の照明器具をなくすと共に、満天の星空に包まれ、無限に広がる宇宙をイメージした。また、広間の床は日本式舞台仕様の板貼りとし、能や日本舞踊の舞台としても広く利用できる設えとしている。

竣工年
2001.10
所在地
東京都港区愛宕
延べ面積
110㎡
用途
寺院
階数
1F
構造
S
備考
基本設計・森ビル