六本木ヒルズの核となるメインタワーは、「文化都心」を象徴する機能とデザインを備えた建築である。地上54階からなるタワーの上層部には、森美術館、東京シティビュー(展望台)、六本木ヒルズクラブ、アカデミーヒルズなどの文化・教育施設を配した他に類を見ない構成としている。8階から48階のオフィスフロアは、フロア平均床面積が約5,600㎡、貸室面積は約4,500㎡と超高層ビルでは国内最大級を誇り、世界初の階間調整機能付きのダブルデッキエレベータを採用することで高効率のオフィスを実現した。外装は甲冑と折り紙を重ね合わせた和のモチーフを用いて、シャープで印象に残る独創的なデザインとした。また地下には大規模なガスエンジンによる発電所と発電の排熱を利用した地域冷暖房プラントを装備した。この自立したエネルギーシステムが、大規模災害時にも機能停止しない「逃げ込める街=六本木ヒルズ」を支えている。