立正佼成会の国内の活動拠点となる教会道場において、老朽化に対する更新を目的とした建替えプロジェクトである。本計画はその中の中核道場建替えののプロトタイプとして位置づけられていた。設計の際には、教会活動や各種行事に参加することで、活動への理解と教会の方々との親交を深め、佼成会に共通する素朴な振る舞いを魅力として見出した。計画ではこの素朴さを建築計画の骨格として「pure」と言うキーワードに置き換えて展開した。シンプル且つヒューマンスケールな空間に素材の力を活かしたデザインを目指し、外装は出目地の杉型枠コンクリート打放しとし、木目の転写による生命感と職人の技そして移ろう陰影で表現した。また内部は日々の活動に配慮した明快なゾーニングと、自然光を取り入れ、快適さと神聖さの両立を図った。活動の中心となる法座席両側には、障子で仕切られた次の間を設け、活動の規模に弾力的に対応出来る計画とした。