日蓮宗 宗務院

池上本門寺の「お山」を背負う寺務所 雲を表現した曲線を屋根と吹抜天井に

池上本門寺は、東京都大田区にある日蓮宗の大本山である。日蓮聖人入滅の霊場で、また布教の殿堂として現代にその法灯を受け継いでいる。宗務院は、広大な境内に入る総門の東側に計画された。敷地北側の「お山」と呼ばれる高低差を背負う形で建物北側は4階まで地面に接し建つ。宗務院は日蓮宗中央行政機関として、全国日蓮宗寺院の統括・海外布教・現代宗教研究・僧風教育など様々な活動を行う。大小12の会議室には伝統を感じる日本的意匠を凝らし、地下の日蓮宗現代宗教研究所には蔵書4万冊収納可能な書庫を設けた。最上階の大講堂は、境内との一体感を意識し「雲」を表した曲線が印象的な屋根で覆った。屋根は、緑豊かな境内との親和性を高めるため深緑に発色するニッケルクラッド・ステンレス鋼葺きを採用した。ロビー吹き抜けの天井にも曲線を活かし意匠の統一感も演出した。

竣工年
2002.3
所在地
東京都大田区池上
敷地面積
2,031㎡
延べ面積
4,319㎡
用途
寺院
階数
B1F/5F
構造
SRC・S