2011年3月に発生の東日本大震災で東京品川でも震度5弱が観測された。これを機に品川御殿山の地に1950年代に建設された旧大使館の改築として、地震国日本における防災上安全な大使館とが求められた。まず構造を免震構造として、地上3階建RC造の基礎部に錫プラグ入り積層ゴムなどの免震部材を配置した。設備は、停電に備えバッテリーや自家発電を充実させ、地震後にも業務遂行が可能なよう備えた。建物のデザインは、ミャンマーの伝統と現代的表現の調和を目指した。内装にはミャンマー産のチーク材や白大理石を使い、部屋名にもミャンマー各地の名称をつけた。外観は白い壁にファブリックな模様を入れたガラスのファサードとし、夜はライトアップされるモダンなものとなっている。スカイラインは、金色の水平線とコーナー棟飾りで彩り、ふるさとの仏教寺院を思い起こさせる。