計画地は丸亀城、讃岐富士(飯野山)など、丸亀の美しい風景を望む立地にあり、この良好な環境を活かしたメディカルコンプレックスを計画するものである。敷地は中央付近で第一種低層住居専用地域と用途地域無指定に分かれており、一低層側を通所リハビリテーションと人工透析センターの低層棟とし、無指定側に高齢者住宅を積層した高層棟として計画した。低層棟は使い勝手・管理面の効率化を意図して半円形とし、レイアウトの自由度に配慮してS造を採用、高層棟は居住性を重視しRC造とした。高層棟は中心に縦動線を配置、その南北に中庭と回廊型廊下を設けることで、自然換気と自然光を内部へもたらし、利用者に快適な環境を提供すると共に管理しやすい計画とした。外観デザインは伝統工芸の「丸亀うちわ」をモチーフとし、低層棟の平面形状をうちわ型に、外装の竪ルーバーや白い水平ラインを骨に見立てて、柔らかさと繊細さを建物全体に表現した。