東京駅前八重洲通りに面した間口の狭い敷地に計画されたオフィスビルである。敷地は東京駅前というロケーションにも関わらず、高さ31m程度の単調なオフィスビルが連なる街並みの中にあり、間口の狭さという弱点を持っていた。そこでオフィスの価値を上げ、際立つ個性を備えたビルの実現を目指し、街並誘導型地区計画の活用による隣地斜線及び容積率の緩和によって最高高さの限度をフル活用する計画とした。高層化による事業床の拡大と共に、量感ある石張りのツインウォールの間にガラスカーテンウォールを挟んだシンプル且つダイナミックなファサード構成は、周辺の建物とは一線を画す存在感を放つものとなった。ツインウォールに用いた石材はスペイン産の花崗岩を採用し、ガラスカーテンウォールの軽やかさとの対比の美しさが印象に残るデザインとした。