境内地の周囲を小規模のビルに囲まれることを危惧した青松寺が森ビルに相談したことから始まるプロジェクトである。愛宕山の緑や歴史的・文化的資産を活かしながら職住近接の街づくを目指した。計画は青松寺、伝叟院、清岸院、日本放送協会、光文社他との共同事業である。開発手法は再開発地区計画制度を採用した。建物の配置は寺院の伽藍配置を参考に青松寺の本堂の軸線に合わせて左側にMORIタワー、右側にフォレストタワーを配置し、神谷町からの切通し部分には商業施設(プラザ)を緩やかなカーブの形状を持たせ、MORIタワーに繋がるようなデザインとした。また、愛宕トンネル横には、NHKの放送博物館に繋がる車椅子対応ELVと階段を一体化したELV棟を設けた。建物を集約し愛宕山の周辺に点在させることで、周辺から愛宕山の緑が望め、街という人工的なものから愛宕山の自然へ徐々に移り変わる風景の形成を実現した。