メディカル・エコタウンの一角をなす住宅棟について、ひとつの「まち=タウン」としてのまとまりある表現を目指したデザイン監修プロジェクトである。計画地の地名である「紺屋町」(紺屋=染物商)の由来を基に、「讃岐のり染め」の手法である分節(リンク)と反転(リバース)に倣い、隣接する介護棟のファサードとの関係にその手法を引用した。住宅棟と介護棟の外装を色彩や構成要素を変化させてパッチワーク風に分節し、共通のモチーフとした。また色彩はそれぞれの棟で反転させ、共通の中に異なる個性を表現した。内観は「藍蓼」・香川漆芸の3技法の1つ「彫漆」をデザインモチーフとして表現した。美術館通りと交流軸(介護医療棟共通アプローチ)に面したラウンジには水盤・植栽を配置し、L型の開口部が外との緩やかな関係を創出する。また天井から壁面へと続く藍蓼のモチーフが創出する居心地の良い空間は、多世代の交流の場となるよう計画した。