戦災で焼失した寺院再建財源確保と、勤労者に都心住居を提供することを目的として建てられた高層分譲住宅。東大赤門の向かいに位置する敷地は、喜福寺境内の一角で本郷通りに巾6mの賛同のみで接している。そのため、1階をピロティとアプローチの兼用とした。また、当時の社会的要望であった、早く手に入れやすい価格による高品質集合住宅の供給を目指し、プレファブ化の試みを行った。柱はSRC、梁はSとし、床は中空コンクリートパネルを型枠として使用、外壁はPC版ALC版による乾式工法を採用した。アビタシオンの名は、ル・コルビジェのユニテ・ダビタシオン(Unité d'Habitation)にちなんだと考えられる。