1950年代の紡績工場(岐阜・大阪)

人工照明・完全空調を採用の無柱工場 50年代の紡績産業を支えた工場建築

1950年代、当社創業の地である岐阜県では繊維産業が盛んで、効率がよく高い品質を維持できる紡績工場が求められた。創業者の二人、建築家の入江雄太郎と構造家の三宅晋が協働し、多数の紡績工場の設計を行った。鉄骨トラス構法による大スパン採用、無柱大空間とし、機器レイアウトを自由にして生産効率の向上を行った。また、この頃普及した蛍光灯を利用した人工照明により天井天窓を不要とし、熱負荷低減・防塵・埃の抑制に効果をもたらし生産効率向上に寄与した。さらに、鉄骨トラス内にダクトを納めて地下水利用の完全空調を実現し、品質向上に寄与した。設計の工夫により生産効率・品質管理・労働環境に優れた工場が多数建設され、その実績は岐阜県内にとどまらず大阪でも採用された。これら実績には、現グンゼ㈱の前身、郡是製糸の工場も含まれ、令和6年グンゼ㈱の方より今でもその建物が使われ建設当時の棟札が見つかったとの便りを頂いている。

竣工年
1:1956 2:1956 3:1958
所在地
1:岐阜県穂積町 2:大阪府 3:岐阜県穂積町
延べ面積
1:11,649㎡ 2:2,397㎡ 3:1,577㎡
用途
紡績工場
階数
1:1F 2:1F 3:3F
構造
1:SRC 2:SRC 3:RC
備考
1:名古屋紡績穂積工場(岐阜県穂積町)
2:三島紡績三島工場 (大阪府)
3:三興紡績穂積工場 (岐阜県穂積町)