池袋駅西側エリアには、かつて池袋モンパルナスなどと称された芸術と文化の街が存在していた。敷地はその一角である西池袋公園前に位置し、ここにアートとデザイン界のプロフェッショナルを育てることを目的とした美術学校を計画するプロジェクトである。狭小敷地による幅の狭いファサードを周辺に負けない力強さで見せるべく、コンクリート打ち放しとスチールフレームによるシンプルな素材の対比で構成した。彫りの深い壁面にはシンボリックな打ち放しのバルコニーを配置し、陰影のある彫刻的な表情とした。またバルコニーは学生たちのコミュニケーションスペースとしても機能し、1階のギャラリースペースと共に狭小な都心のキャンパスから積極的に街へ向けて活動を発信出来る場をデザインした。