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2009年10月28日(水)
犬島アートプロジェクト

今回は犬島という瀬戸内海の小さな島への旅の話です。岡山側から船で5分程の所にある犬島では近くの直島に続いて、新たにアートプロジェクトを展開しています。

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定期船で島に近づくと煉瓦作りの煙突が見えてきます。煙も立たず、崩れかけた古い煙突群は異様な風景にさえに思われました。島には100年前に建設され、かつて日本経済を支えていた銅の精錬所の遺構が残っているのです。銅生産が盛んな時代は一時的に人口が増え賑わいを見せましたが、現在は大幅に減少し、残された工場跡や大煙突が独特な景観を生んでいます。

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犬島アートプロジェクトは「近代化産業遺産群」に指定された精錬所の遺構を保存しながら美術館として再生させ、循環型社会のモデルとすることをテーマとしています。地下に増設された美術館は機械式の空調を使わず、館内に送る空気量を調節することで室内を一定に保つシステムです。室内環境を感知するセンサーは使用していますが、この規模の美術館でも空気の流れのみで空調可能であることは驚きでした。中に入って煙突を吹き抜けるヒューヒューという風の音が響いているのを聞くと自然のエネルギーの力に圧倒されました。

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犬島の歴史を見ると、かつて日本経済を支えていたこの精錬所は煙害対策や輸送の利便性から瀬戸内海の島に建設されたものです。その需要がなくなってからは人々から振り向きもされず取り残され、全くその存在を知られていませんでした。いま再生しようとする姿を見て、「捨て去られているようなものに新たな価値を見つけようとする」のは「エコロジー」の根本なのではないかと思います。近年、エコロジーな生活への関心が高まり、テレビや広告では「エコ○○」という言葉であふれていますが、環境負荷の少ない建築を考えることはもちろん、犬島ように人の意識や視点が変わるようなプロジェクトも大きな役割は果たすのだと思いました。

島には廃屋となった家がいくつか見られました。展開されていくアートプロジェクトをきっかけに住民の方々の生活も含めて今後どのように変わっていくのか、また訪れてみたいと思います。


(彩・文)

 
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