「免震ことはじめ」というコラムをこのブログに掲載したのが約2年前のこと。それが国土交通省建築研究所の先生の目に留まり、先日「開発途上国免震研究会」に招聘され、50年前の鎌倉大仏のすべり免震工法についてのレクチャーをすることとなりました。
研究会の趣旨は、開発途上国での免震工法として、どこにでもある材料で簡単に安価に実現できる免震工法の研究とその普及にあります。委員には建築研究所の研究者から大学の先生、文化財、海外関係者など多彩な顔ぶれです。
こちらは当時の事情に詳しい顧問を中心に、構造設計部長、そして私の3名。会場は中央区の晴海トリトンスクエアー区民センターです。
冒頭に最近訪れた鎌倉大仏(国宝銅像阿弥陀如来坐像)の写真を映し出してから、50年前の工事の話を進めました。関東大震災で東へ1尺滑った大仏が、翌年の余震で後方に1尺動いたという事実からこの改修には「免震」がふさわしいと決断した関野克博士の話や、改修方法を検討し仏体を浮揚して臥梁を築き、台座を広げステンレス板を挟み込む工法を当時の写真や資料で解説しました
 
発表後の質問も、ステンレスとビシャン叩きの石との間の摩擦係数についてなど活発な議論が続き、出席者の一人の先生による「ローラースケートを履いた仏像が滑り過ぎぬよう粗い石の上に載っている」とのユーモラスな評により40分ほどの予定時間が終わりました。
「釈迦無尼は 美男におわす 夏木立ちかな」-------過ぎゆく夏の一日でした。
(風琴子)
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